第3版  2021.5.24

 

「新型コロナウイルス感染症」に関する科学的事実

―― 「緊急事態宣言」の発令や延長に科学的根拠はあるのか? ――

 

はじめに

l  「新型コロナウイルス感染症」の感染拡大防止を目的として、日本政府は、昨年春「緊急事態宣言(2020.4.72020.5.31)」を発令し、営業自粛や外出自粛等という形で「ロックダウン的な政策」を実施しました。今年に入ってからも、2回目(2021.1.82021.3.21)だけで終わらず、3回目(2021.4.252021.5.31〈予定〉)を実施するなど矢継ぎ早に発令しています。

Ø  直近では、「緊急事態宣言」の期限である今月31日(当初511日までだった期限を31日まで延長)以降について、政府高官が「仕方ない」と述べるなど、再度延長するという議論すら出てきました。

l  上記の緊急事態宣言の下、国内においては、飲食店の時短営業などを中心とした「ロックダウン的な政策」が実施され、国際的には、外国人の入国が原則禁止になっています。しかしながら、「ロックダウン的な政策」に関する科学的根拠が十分に解説されることはなく、最近の「緊急事態宣言」において唱えられている「飲食店=諸悪の根源」説に至っては、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長自身が「直接のエビデンスはない」と明言している(緊急記者会見:2020.12.21【資料1】)にもかかわらず断行され、数多くの企業の経営に対して致命的な影響をもたらしています。

Ø  テレビのワイドショーなどのマスコミは、「新型コロナウイルス感染症」に関する科学的事実を踏まえることなく、「不安を煽る」という一方向だけで報じていますが、日本政府は、それらの報道に影響を受けた人々の不安心理や支持率を気にしすぎて、科学的根拠を伴わない政策を実施し続けています。感染症とは何ら関係のない「消灯要請」や、何ら合理性がない「無観客開催」などを求める当局の姿は滑稽でもあります。

Ø  米国の歴史学者であるアルフレッド・W・クロスビーは、名著として知られる「史上最悪のインフルエンザ」の中で、「閉鎖命令を厳格に適用した地域の患者発生率や死亡率は、そうでなかったところとくらべて特に低くもなく、それどころかむしろ高かった例もしばしばあった。しかしながら公衆衛生当局にしてみれば、何かしないではいられず、劇場や学校、玉突き場、そして教会にまで閉鎖命令が出された」と書き、ロックダウンは当局者の自己満足に過ぎなかったことを指摘していますが、この100年間、人間や政府が全く進歩しなかったことに愕然とします。

l  今回の新型コロナウイルス騒動においては、マスコミに登場する『専門家』と言われる人々が、基本であるはずの免疫力の向上について何ら語ろうとせず、PCR検査の大幅適用を主張し、新型コロナワクチンの接種を喧伝し続けている一方で、良心的な医学者や科学者たちの発言は封殺されています。こうした状況下、厚生労働省が「新型コロナワクチン」の国内治験を承認し、日本国民全員(在留外国人を含む)に対して、当該ワクチンの接種が推進されていく中、個々人においても、接種に対する態度を決定しなければならない時期が近づいています。厚生労働省は、「接種についてのお知らせ」(厚生労働省HP【資料2】)において、「予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています」と明記しているので、個々の経営者や社員において、「感染症予防の効果」と「副反応のリスク」について、十分に理解したうえで「自らの意思」を決定することが求められています。

Ø  ところが、当初の「厚生労働省Q&A」(厚生労働省HP【資料3】)では、「日本への供給を計画している海外のワクチンでは、ワクチン接種後に、ワクチン接種と因果関係がないものも含めて、接種部位の痛みや、頭痛・倦怠感・筋肉痛等の有害な事象がみられたことが論文等に発表されています」「現在、開発中の新型コロナウイルス感染症のワクチンの副反応については国内外の臨床試験等でどのようなものが起こりうるか確認されているところです」程度の情報しか掲載されていませんでした。

Ø  もっとも、現在開示されている「新型コロナワクチンQ&A」【資料4】は、「発現割合」(接種部位の痛み・疲労・頭痛:50%以上等)を大きく明示した上で、「ファイザー社の新型コロナワクチンでは、接種後に注射した部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢、発熱等がみられることがあります。こうした症状の大部分は、接種後数日以内に回復しています」「日本への供給が計画されている海外のワクチン(アストラゼネカ社、モデルナ社、ノババックス社が開発中のワクチン)でも、ワクチン接種後に、 ワクチン接種と因果関係がないものも含めて、接種部位の痛みや、頭痛・倦怠感・筋肉痛等の症状がみられたことが論文等に発表されています」と記すなど僅かではありますが前進が見られます。

l  残念ながら、「新型コロナワクチン」に限らず、「新型コロナウイルス感染症」に関するマスコミの報道は、一方向に突っ走るものが多く、科学的な事実を踏まえない内容が少なくありません。このため、本稿は、根拠となる学術論文および当局の資料や統計を紹介しながら、「新型コロナウイルス感染症に関する科学的事実」についてお知らせすることを目的としています。また、その中で「緊急事態宣言」を含むロックダウン的な政策の有効性についても、科学的事実をご紹介いたしますので、新型コロナウイルス感染症対策や経営戦略などを判断する際の一材料にしていただければ幸いです。

Ø  当初の「Q&A」【資料3】において、「副反応のリスク」に触れていたのは、「一般的に、ワクチン接種では、副反応による健康被害(病気になったり障害が残ったりすること)が、極めて稀ではあるものの避けることができない」と「米国において、ファイザー社の新型コロナワクチン接種後に報告されたアナフィラキシーは、2021年1月18日時点で、50例(9,943,247回中)で、100万回あたり5なっており、74%が接種後15分以内、90%が接種後30分以内に症状が現れています。また、80%にアレルギーの既往があり、24%にはアナフィラキシーの既往があったと報告されています」という箇所のみであり、国民に対する説明という点では、問題が極めて多いと言わざるを得ない内容でした。

Ø  現在開示されている「新型コロナワクチンQ&A」【資料4】では、「稀な頻度でアナフィラキシー(急性のアレルギー反応)が発生したことが報告されています。アナフィラキシーの報告状況等は、こちら【資料25】【資料26】に掲載しています」として、100万回あたり5例」という記述が消えました。これは、ワクチン接種後に観察された日本におけるアナフィラキシーの発生が極めて多かったという事情を反映しています。

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「ロックダウンは効果がない」と主張する専門家は大勢いました。「ロックダウンしても死亡率に大差はない」という学術論文も沢山でています。でも、日本では全く報道されません。も参考になります。

➡ 懐かしい映像をご覧ください。尾身会長が「エビデンスはない」と公言しています。じつに清々しいですね。科学が大切だから専門家の意見を聞け! でも証拠はない! なんじゃそりゃ?も参考になります。

➡ 少なからぬ方が疑問視していましたが、PCR検査によるスクリーニングは「科学的に意味がない」という調査結果が示されました。PCRで全数検査すべきと主張していた人たちはどうするの?も参考になります。

【資料1】新型コロナウイルス感染症対策分科会(2020.12.21
・緊急記者会見
https://www.youtube.com/watch?v=KXoEyb1fLQQ&t=850s

【資料2】厚生労働省HP
・接種についてのお知らせ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html

【資料3】厚生労働省HP
・厚生労働省のQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00222.html

【資料4】厚生労働省HP
・新型コロナワクチンQ&A
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0002.html

【資料25】厚生労働省(2021.5.12
・新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000778304.pdf

【資料26】厚生労働省(2021.5.12
・副反応疑い報告の状況について
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000778306.pdf