なぜUber配車サービスは日本で失敗したのか? | Coral Capital
これは次世代のビジネスモデルへの移行を一足飛びに実践して既成事実を作ってしまう方法です。AirbnbもUberも、そういう側面がありました。ストリーミング配信が立ち上がる前には、権利者からの許諾を得ていなかったサービスとして、音楽ではNapsterがあり、テレビ放送の録画ストリーミングではRokuがありました。Napsterは訴訟でシャットダウンとなりましたし、Rokuもずっと揉め事を抱えています。しかし、例えばYouTubeはどうでしょうか。当初違法アップロード問題に揺れたプラットフォームでしたが、今では権利者への利益還元のエコシステムが回り始めています。誰かが無許可で著作物をアップロードしても、デジタル技術による同定(コンテンツID)の精度が高く、半自動的に収益が原著作者に流れるようになっています。
では、YouTubeは、そうしたデジタル同定技術の開発とデモンストレーションを続けて、それによってステークホルダーを納得させ、その後にプラットフォームをローンチしてユーザーを集めるべきだったのでしょうか。そうかもしれません。少なくとも日本の法人であれば、それ以外の方法が可能だったかどうか分かりません。一方、米国では激しい議論や訴訟をしながらも最終的に全てのステークホルダーが納得する形にまで持っていければ、それで良いとする考え方があるように思えるのです。
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