英国で暮していた30年前は BBC が輝いて見えた。日本のメディアもこうなってほしい、と信じていた頃もあった。しかし、今回のウクライナ紛争において、「ウクライナにネオナチはいない」という真っ赤な嘘を BBC が垂れ流すのを見て、私の「BBC 信仰」は脆くも完全に崩壊した。2~3年前に BBC 自身が「ウクライナのネオナチ」を特集して報じていたのに、「ウクライナにネオナチはいない。ロシアは根本的に間違っている」というプロパガンダの片棒を担いだからだ。
この動画で指摘されている BBC による「虐げられたウイグル人」に関する報道は、さらにひどかった。中国の CTGN の報道の中でうまく使えそうな部分だけを「切り取ってストーリーを捏造」する。まるで東京新聞だ。元ネタの CTGN と比較されれば、簡単に「捏造」がバレることにすら気が付かなかったらしい。ウイグル人の過激派がテロを起こしたことに対して、中国政府が厳しく対応した経緯があるから、軋轢や殺傷や再教育は間違いなくあっただろう。
しかし、アンドリュー・ゼンという1人の法螺吹きがあっという間に有名人になり、彼が吹聴した内容が全世界に拡散した。しかし、彼が唱えた「中国政府によるウイグル人の虐殺」というストーリーを裏打ちする証拠はどこにもない。BBC もその証拠を捉えることはできていない。だから、まずは「ウイグル人の虐殺」を報道しておきながら、証拠がないと分かると「ウイグル人の臓器売買」に話を変え、それも物証が出てこないと「ウイグル人女性の不妊治療」に矛先を変え、極めて少ない何人かの証人で暫くしのいだが、どうも分が悪いと分かると「ウイグル人は強制収容されている」という話にすり替えた。
中国政府は、テロ発生当初、欧米流に「テロリストはひたすら弾圧すればいい」というスタンスで対処していたが、それでは「憎しみが憎しみを生むだけで平和は訪れない」と悟り、「一部の過激なウイグル人に対しては再教育の場を与えつつ、ウイグル人の生活水準を引き上げるために活発な経済活動に組み込んでいく」という方針に切り替えた。無論、テロリストになる可能性のある若者には強制的に再教育を施したから「強制収容」的な側面はあっただろう。しかし、一番の目的は経済活動に組み込んで生活水準を引き上げることによる地域の安定の治安の回復なので、学べることは、①共通語であるマンダリンの習得、②職場で必要になる漢文化の理解、③ウイグル文化を継承するための歌や踊りのレッスンだった。だから、自ら望んで「再教育」の場に入ったウイグル人の若者たちは極めて多かった。
その「再教育」の場は、現実には「強制収容」ではなく、週末には自宅で家族と団欒できたし、通常の「学校」のように生徒間や教師との間で友情が育まれ、「卒業」した後も長く付き合う事例は少なくない。そういう側面を無視して、「強制的に教育を受けさせられた一部の者」の例だけを取り上げて、あたかも、それがウイグル人の若者全員に適用されたとする報道は、事実を捻じ曲げたプロパガンダとしか言えないだろう。実際、強制的に教育を義務付けられたのは、数百人の村で一桁の人数だったようだ。
そういう事実が徐々にバレてくると、BBC は「強制収容」ではなく「ウイグル文化が失われた」という話をメインにするようになったが、米国政府が中国との情報戦で有利に立つために「ウイグル人は強制労働させられている」という新情報を流したら、証拠もないのにパクっと食い付き、ウイグル産の製品を購買禁止にするキャンペーンに参加した。その結果、欧米企業は、ウイグル産の綿花や太陽光パネルを買わなくなり、ウイグル人の失業が大幅に増加した。折角、裕福な生活を手に入れたウイグル人は、職を失って出稼ぎに行くしかなくなる。中国政府は、その対策として出稼ぎの斡旋を始めたが、BBC はこれ幸いとばかりに「これは中国政府による強制移住だ」と批判する。
まあ、BBC も堕ちるところまで堕ちたということなのだろう。本当にウイグル人のことなど何一つ考えていない。「ウイグル産の製品を購買禁止にしたら、一番困るのはウイグル人だ」という当たり前の話にすら気が付かない。BBC が「東京新聞」並みの脳みそになったということを悲しむべきか、それともチャンスと見るべきか。まあ、現実的には、「東京新聞」が「東京スポーツ」並みに見出しだけで勝負するメディアになるほうが早い気がするけれど・・・。
【読む・観る・理解を深める】
➡【ウイグル問題に関する基礎知識①】ウイグル問題に関する聴聞会がコメディみたい。
➡【ウイグル問題に関する基礎知識②】ウイグル問題には、CIA が深く関与していた。
➡【ウイグル問題に関する基礎知識③】ウイグル人問題は「ナイラ証言」と同じだ。
➡【ウイグル問題に関する基礎知識④】独立した第三者の立場からウイグル虐殺説を検証する。
➡【ウイグル問題に関する基礎知識⑤】西側22ヶ国は批判し、ムスリム諸国ら54ヶ国は中国を支持。
➡【メディアに騙されないための基礎知識①】戦争を起こすのはいつもメディである
➡【メディアに騙されないための基礎知識②】嘘の「ナイラ証言」は戦争を正当化した
➡【メディアに騙されないための基礎知識③】戦争プロパガンダには10の法則がある
➡【メディアに騙されないための基礎知識④】ウクライナ戦争に関するプロパガンダ
➡【メディアに騙されないための基礎知識⑤】ロシアも中国も米国も欧州も嘘だらけ
➡ テレビ朝日は恥ずかしい報道機関です。一般視聴者に見破られています!
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