米国は「対日戦争に勝利する」という目的を果たすために、広島に原爆を落とす必要はなかった。当時、日本軍は和平協議のために奔走しており、米軍が勝利することは確定していたからだ。しかし、米国は、戦後の国際秩序における自国の覇権を確定するために「米国の指揮の下でソ連を対日戦争に参戦させる(米国のリーダーシップをソ連に認めさせる)」という工作を水面下で続けていた。しかし、ソ連は「独日という東西に引き裂かれる二正面作戦を展開するつもりはない」として頑なに拒否。「頭を下げてソ連に参戦を頼みこむ」という借りを作りたくない米国は原爆投下を決断し、無辜の日本人を大量に虐殺。「このままでは、戦後の国際秩序の中で米国が絶対的な地位を確立してしまう」と焦ったソ連は、原爆投下の直後に対日戦争に参戦することになる。米国はそういう国だ。
ーー Larry C. Johnson(元CIAアナリスト)



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