ガザ市の病院に対する爆撃については、イスラエルが「イスラム聖戦団によるミサイルの誤爆説」を主張しており、日本メディアでは、その説に乗っかる識者や報道も少なくないようだ。
ただ、イスラエルが証拠として最初に挙げた動画はフェイクであることが速攻でバレてしまったため、早々と削除。次に出してきた会話の傍受も見方によれば世間話レベルの証拠にすぎず、しかも「パレスチナ人のアクセントではない」という指摘があるなど、これまたフェイクの可能性が否定できず、説得的な反証とはなっていない。
ただ、事件の裏の裏を知りうる立場にはないということを自覚すれば、「現時点において真犯人は断定できない」というしかないだろう。もっとも、ハマスの犯行は許しがたいが、イスラエル軍の絨毯爆撃によるパレスチナ市民の虐殺は「戦争犯罪」である。この事実は、世界中の多くの人々が認めるところだと思われる。
つまり、病院爆撃の真犯人が誰かという点は、いまやそれほど重要ではない。イスラエル空軍による無差別爆撃やガザへの地上作戦の示唆が、世界の人々のイスラエルに対する嫌悪を高めてしまったところに、病院の爆撃があった。それで、イスラエルに対する悪感情が爆発してしまった。こうなってしまうと、イスラエルがどのように言い訳したところで、嫌悪のピークにある人々の心には届かない。
実際、今回の病院爆撃が濡れ衣だったとしても、これまでイスラエル軍は病院や病院付近を標的として攻撃を加えてきた前科がある。そして反証として挙げてきた証拠はことごとく貧弱なものであり、イスラエル軍によるこれまでの数々の非道な残虐行為は正当化されないものであるから、世界の人々の怒りはもっともだ。
とはいえ、今回のイスラエル・ハマス紛争に関して、浅学の小生には「善悪」や「正邪」をまだ断定できない。そこで、取り敢えず「善悪」や「正邪」という高尚な概念を無視して、現時点では「日本の国益」ありていに言えば「日本の損得」で判断することにしたい。そうすると、エネルギーを全面的に湾岸諸国に依存している日本は「イスラエルを支持しない」という結論になる。同様に、ウクライナ紛争に関しては「隣国の大国であるロシアと敵対しない」「ロシアと中国を組ませるべきではない」から「ウクライナを支持しない」となる。
このように「単純な損得」で考えれば、日本は「イスラエルを支持せず、ウクライナも支持しない」という結論になるはずだったが、「日本の国益」を第一に考える立場の「保守」は、ウクライナイを支持し、イスラエルを支持したりしている。要するに、日本の「保守」というのは「米国のポチ」にすぎなかったことがわかる。イスラエル・ハマス紛争やウクライナ紛争において、「日本の損得」を超える「絶対的な正邪」があるというのであれば、是非示してもらいたい。その理由が「アメリカさまには逆らえませんから」ということでないことを願う。
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