2023年1月1日において、日本国内に不法残留している外国人は、2022年7月1日の 58,241人から 70,491人に急増しました。+21.0%の大幅増です。この伸びが続くと想定すれば、年率で+46.5%。単純計算すると、2024年1月1日の不法残留外国人の数は10万人を超える(103,263人)と予測できます。この計算どおりに、不法残留外国人が10万人を超えた場合、15年ぶりの高水準(2009年1月1日11.3万人、2010年1月1日9.2万人)に達することになります。

この単純計算による予測値がバカにならないのは、外国人の不法残留予備軍である「特定活動(帰国困難ビザ)」がかなり多く存在しているから。2022年12月末時点で4.8万人もいます。2022年6月末の7.0万人からは2.2万人減りましたが、同時期に不法残留外国人は1.2万人増えましたから、減員分の55%が「不法残留」になってしまったという計算になります。だとすれば、4.8万人の55%(=2.64万人)は、早晩「不法残留」に向かうと考えたほうがよく、これだけで9.64万人(=7.0+2.64)に達してしまいます。

さらに、不法滞在のメインである「短期滞在ビザ」での月間入国者は、173.7万人(2023年5月)と前年(2.6万人)の67倍。2024年1月1日までには12ヶ月もありますから、「短期滞在ビザ」で入国した10,000人のうちたった1〜2人が「不法残留」に向かうだけで、不法残留外国人は、10万人を超えてしまう計算になります。

したがって、今年の年末に不法残留外国人が10万人を超えるというのは、残念ながら、避けられない「既定事実」。問題は、不法残留外国人がその後、そのまま増え続けていくのか、それとも、減少に転じるのかという点。もし、入管が現在のようなオーバースティや短期滞在に対して甘い対応を続けるのであれば、バブル期のように30万人を窺うような増え方をしても、まったく不思議ではありません。



【読む・観る・理解を深める】
【不法残留問題①】不法残留する外国人は、年末に10万人を超え、30万人を目指す!
【不法残留問題②】2023年末に不法残留する外国人が10万人に達するのは防げない!
【不法残留問題③】不法残留する外国人は一度増えてしまうとなかなか元に戻らない!
【不法残留問題④】NHKの「やさしい猫」は在留資格制度の枠組を完全に無視している!
【不法残留問題⑤】オーバースティの外国人を収容しようとしない入管に存在意義はない!
【不法残留問題⑥】「やさしい猫軍団」は「オーバースティで収容するな」と騒ぎ立てる!
【不法残留問題⑦】入管は「口うるさい警察官」ではなく「合法的なビザ屋」になってしまった!
【不法残留問題⑧】難民申請を活用すれば「短期滞在ビザ」から「就労ビザ」に変更できる?
【不法残留問題⑨】外国人派遣会社が摘発されないから「短期滞在ビザ」の外国人が増え続ける!
【不法残留問題⑩】不法滞在した親まで在留特別許可を与えるのなら不法残留者は必ず収容せよ!