私が「プリゴジンの乱」が勃発したことを知ったのは、土曜の夜、独の公共放送である DW の報道を観たときでした。「これは大変だ!」ということで、各国のニュースを検索して出てきたのが、オーストラリアの sky news(米国は真夜中だったので、あんまりニュースネタが出てこなかった)。なぜだか、sky news は、専門家を登場させて「戦術核のリスク」について語らせていました。
「やったぁ、ロシアで内戦になるぞ!」とか「これでプーチン政権も終わりだ!」などという歓喜の声に溢れる報道を予測していたのに肩透かし(もっとも、その後、米国が朝を迎えて、米国メディアが本格的に報じ始めると、その手の話で溢れるようになりましたが・・・)。でも、このところ、バイデンがしきりに「ロシアの戦術核のリスクは REAL だ」と吹聴していたことが気にかかり、「ひょっとして何かしら危険な偽旗作戦でもするつもりなのか?」と独り深刻に考え込んだりしました。第一次世界大戦もちょっとした切っ掛けで始まっちゃいましたしね。
調べてみると、ワグナーがロシア軍から支給された兵器を横流しして蓄財しているという疑惑があるとか、プリゴジンがバフムートの戦いで「兵器・弾薬の不足はショイグの責任だ」と喚きたてたのは兵器の横流しと関係があるだとか、その疑惑を捜査する一環でワグナーの関係者を家宅捜索したら巨額の現金が発見されたなど、真偽が確認できない怪しげな情報がてんこ盛り。「ひょっとして、ワグナーが WEST からカネをもらって内通しているなんてことはないよなぁ・・・」と訝りながら就寝。懸念が杞憂であることを祈りつつ・・・。
朝11時頃に起きてニュースをチェックしたところ、プーチンの毅然たる対応と、プリゴジンを名指しせずに逃げ道を作る大人の配慮と、ベラルーシのルカチェンコ大統領の仲介で、あっという間の大団円。プリゴジンは「クーデターではない」と宣言しながらモスクワに行進し、ロシア軍はその行進を止めようとしない。攻撃や威嚇することができるのに、見守ることに徹してエスカレーションを回避するという対処策を実施。良かった良かった。
取り敢えずは、脳裏にチラッと一瞬浮かんだ最悪のシナリオではなかったことにほっと一息。無論、今後も、安心はできませんが・・・。
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