ウクライナ情勢に関する最新情報の合間に、mRNAワクチンのネタを挟むと、「親露は反ワク」などという低俗なコメントをいただくことがある。要するに、「親露=陰謀論」+「反ワク=陰謀論」⇒「親露=反ワク」という論法なのだが、結局のところ、テレビ教の信者に過ぎないようだ。主な情報源がテレビであり、SNS で拾うネタもそれを補強する材料ばかりだから、じつは単にテレビの受け売りにすぎないのに、時間が経過すると、いつの間にか「自分の信念」に転化してしまう。

mRNAワクチンの問題点については、真実を追求する科学者たちが数多くの学術論文を権威のある学術誌で公表しており、当局の中には、接種勧奨を止めるだけにとどまらず、禁止に踏み込む国まで出てきた。そういう事態になっているから、西側のメインメディアですら完全に無視することはできず、世論が反転した場合のアリバイ作りも兼ねて、時折報じようになっている。もっとも、日本のメインメディアでは、まだまだタブーであり、扱っているのは、CBC と関西の一部テレビ局。そして、週刊新潮や女性セブンくらいだろうか?

とは言え、少し前、NHK がmRNAワクチンの被害者を取材して番組にしたところ、mRNAワクチンの「ワ」の字も出さず、あたかも「コロナの後遺症」の被害者であるかのような報道をしてしまったため、被取材者や関係者が「捏造報道だ!」と激怒し、NHK も逃げ切れずに謝罪に追い込まれたという一幕があった。「大本営発表」をポリシーとする NHK ですら、累積している事実や科学的知見を踏まえた世論の変化を無視できなかったということなのだろう。

それにしても、国際的に認知された学術論文が数多出ていて、日本以外の国では、メインメディアですら扱うようになっている mRNAワクチンの問題点ですら、「陰謀論」の一言で片付けてしまい、「反ワク」というレッテル貼りしかできないような知性では、複雑に入り組んだ背景を持つウクライナ紛争の「事実」を適切に分析することなど不可能だ。何と言っても、頼みの綱のテレビ報道が「デタラメ」なのだから、「真実」に接近しようがない。

かつてマッカーサー元帥は「日本人の精神年齢は12歳の子どもだ」と発言して物議を醸したが、「親露は反ワク」などという低俗なコメントしかできない輩の精神年齢は12歳で止まっているのかもしれない。「教科書に書いてあること」と「先生が教えたこと」だけが「真実」だと教え込まれているから「テレビという教科書」に出てくる「『せんもんか』を自称する先生」が話したことだけが「真実」だと思い込んでいる。最も可哀そうな人たちである一方で、最も危険な人たちでもある。テレビによる世論誘導で動かされやすい単純な人たちだからだ。

その程度の精神年齢でないと、「新型コロナワクチン接種開始が2021年5月24日、ロシアの軍事侵攻が2022年2月24日。反ワクが親プーチンに流れた。情報元をたどれば、RTやSPUTNIKを二次情報にした出処不明なTwitterやブログ。反ワクもロシアに取っては情報戦」などという荒唐無稽で、あまりにも恥ずかしいコメントを公衆の面前に晒すことなどできはしまい。



読む・観る・理解を深める】
【ウクライナ情勢を分析する際の留意点①】プーチンはなぜ侵攻に踏み切ったのか?
【ウクライナ情勢を分析する際の留意点②】米国の思惑とウクライナの実情を知る
【ウクライナ情勢を分析する際の留意点③】ウクライナに駐在した元NATO将校の証言
【ウクライナ情勢を分析する際の留意点④】軍事専門家の分析と偏向報道を比べる
【ウクライナ情勢を分析する際の留意点⑤】戦争は2014年からずっと続いている
【恥ずかしい専門家たち:ウクライナ編①】渡部悦和元陸自東部方面総監 ・小泉悠東大専任講師
【恥ずかしい専門家たち:ウクライナ編②】伊藤俊幸元海自呉地方総監・川添博史防衛研主任研究員
【恥ずかしい専門家たち:ウクライナ編③】佐藤正久自民党外交部会長・青山繁晴参議院議員
【恥ずかしい専門家たち:ウクライナ編④】東郷和彦元欧州局長・三浦瑠璃国際政治学者
【恥ずかしい専門家たち:ウクライナ編⑤】廣瀬陽子慶応大教授・中村逸郎筑波大教授
➡ 軍事専門家を探す旅路:ウクライナ情勢を正しく知るために