【メディアに騙されないための基礎知識②】(2022.3.12)
*嘘の「ナイラ証言」は戦争を正当化した
私は12人の女性とともにアッ=ラダン病院でボランティアをしていました。私が最年少のボランティアで他の女性達は20-30歳でした。イラク軍兵士が銃を持って、病院内に押し入るのを目にしました。保育器から新生児を取り出し保育器を奪うと、冷たい床に新生児を放り出し死なせてしまいました。怖かったです。・・・
戦争におけるメディアの功罪を語る際に、「ナイラ証言」という事件がよく議論の対象となります。これは、イラクによるクウェート侵攻の後、「ナイラ」を名乗る少女が行った証言であり、「イラク軍兵士がクウェートにおいて、新生児を死に至らしめている」と涙ながらに述べたこの証言が、反イラク感情とイラクへの批判を高め、湾岸戦争を正当化する役割を果たしました。
しかし、後日「ナイラ」なる女性は存在せず、クウェート政府や米国政府の意を受けた「反イラク扇動キャンペーン」の一環であったことが判明します。「ナイラ」は、当時クウェート駐米大使であったサウード・アン=ナーセル・アッ=サバーハの娘だったのです。その証言は、クウェート政府が広告会社「ヒル・アンド・ノウルトン」に依頼した「広報キャンペーンの一環」でした。この「ナイラ証言」は、女性又は子供を利用したプロパガンダの一例として広く引用されています。
「ヒル・アンド・ノウルトン」は、「自由クウェートのための市民運動」から、イラクの独裁者であるサダム・フセインによるクウェート侵攻についてアメリカ国内で世論を喚起することについて、100万ドルで相談を受け、強硬な手段に向けた支持を勝ち取る最善策を決める研究に着手しました。研究によると、「暴虐とりわけ保育器の話が最も影響がある」ということが分かり、実際にその手法が採用されました。広報キャンペーンには、クウェートから1200万ドルの資金提供を受けたとされています。
ナイラ証言が広く喧伝されると、集会の様子を撮影したヒル・アンド・ノウルトンは、全米に約700のテレビ局を擁する「メディアリンク」へビデオを配給しました。当日夜、証言の一部がABC及びNBCのニュース番組で放映され、数千万人のアメリカ国民が視聴したといわれています。また、上院議員7名が武力行使を支持する演説の中でナイラ証言を引用したほか、ブッシュ大統領もその後数週間のうちに少なくとも10回は証言を繰り返しました。湾岸戦争に米国が踏みきる際に、「ナイラ証言」がものすごく効果を及ぼしたことは間違いありません。後日、「ヒル・アンド・ノウルトン」の Vice Chairman であった Frank Mankiewicz は「我々はアメリカ国民に対して世論を形成すべく虚偽の情報を垂れ流した」と認めました。
今回のウクライナ戦争においても、「ヒル・アンド・ノウルトン」のような戦争広告代理店が絡んでいることは間違いありません。私たちは「ナイラ証言」という過去を常日頃思い出しながら、ウクライナ戦争の報道を観るべきです。
【読む・観る・理解を深める】
➡ メディアはいつでも戦争の火付け役になっている。大概のメディアは「悪」だ。メディアがなければ、戦争は起きないだろう。
➡「戦争の真実」を探るために必要な基礎知識を解説した動画です。MUST WATCH!だと思います。
➡ イラク戦争を開戦に導いた歴史に残る偽証「ナイラ証言」です。この程度のプロパガンダはお茶の子さいさいです。
➡ 西側のプロパガンダの正体を解説している動画です。マスメディアは腐りきっている! MUST WATCH!
➡ 米国メディアは、ペンタゴンの意向に反するジャーナリストの声を抹殺する?! New York Times は、大本営発表(dis-information)を垂れ流す「政府の犬」だ!
➡ テレビ朝日は恥ずかしい報道機関です。一般視聴者に見破られています!
➡ これ、すごい笑える! 英国 sky news です。00:25:50 からご覧ください。
➡ ドイツの有力メディア が、1年半に亙るコロナ報道について謝罪しました!「私たちは、あなたが社会にとって致命的なリスクだと報道してきましたが、それは間違っていました」
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