今回のウクライナ紛争で良くわかったことは、好戦的な米・英・NATO という危険極まりない連中と、日本の国益をしっかりと護りながらうまく付き合っていくには、彼らと巧みにかつタフに交渉し続けるだけの情報力・分析力・提案力・経済力・外交力が必要だが、いまの日本にはそれらが決定的に欠けており、有事に陥った時には、武器だけ売られて、ウクライナのように「捨て駒」として良いように使われて棄てられる可能性が大きいという厳然とした事実だ。

米国とは同盟関係があるから「捨て駒」に使われないように十二分に注意しながら、同盟関係のメリット部分だけを享受できるようにするための布石を打ち、いざというときに逃げられないようにしながら、英国とは十分な距離を保ってファイブアイズなどには入らないようにし、NATOとは絶対に組まないという覚悟で、したたかな外交を展開していかなければならない。

無邪気に NATO を信用して「日本もNATOに加盟すべきだ」などと発言する日本の政治家は絶対に信用してはいけない。今回の参院選で落選させてしまった方が日本のためだ。ウクライナのおかげで、NATO の正体が多くの日本人の眼に露見した。その意味で、日本国はウクライナに感謝しなければならない。



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