それにしても、ボリス・ジョンソン英首相のよる電撃のキエフ訪問は、マクロン仏大統領やショルツ独首相、ドラギ伊首相の面子を潰しに来たことが明らか。仏独伊と英の距離はさらに離れたものになり、英国の喉元に突き刺さった北アイルランド問題で、EU が英国に譲歩することはなくなるでしょう。
EU が北アイルランド問題で英国に一切譲歩しない場合は、北アイルランドで独立派が政権のマジョリティを奪取していることもあり、「アイルランドとの Re-union」という話が現実の選択肢として盛り上がってきます。とりあえず「北アイルランド」として独立する手もありです。そうなれば、スコットランドの独立問題も思い出したように表面化するでしょう。United Kingdom が Un-United Kingdom になるリスクが大きくなってきました。
ボリス・ジョンソンは、ウクライナに深く関わったことが、本当に英国の国益にとってプラスだったのか否かについていずれ厳しく糾弾されることになるでしょう。欧州外交の蠢動は、ウクライナ以外にも飛び火し始めました
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