名古屋入管でウィシュマさんが死亡した事件で散々叩かれたことが逆効果になって、入管は、甘々になったようだ。今日も、今春に「知人訪問ビザ」で来日したフィリピン人が埼玉入管で「コロナビザ(特定活動・帰国困難)」を申請したら受理していた。本人は「これで日本で働ける」と喜んでいたが、それで本当にいいのか? 昨日は昨日で、オーバースティの元留学生に「就活ビザ(特定活動・就職活動)」を出している。もうめちゃくちゃだ。

おそらく、野党とマスコミに叩かれ続けた入管は嫌気がさし、
①「出入国在留管理庁職員の使命と心得」にある「相手の立場に配慮する」という文言を「外国人に甘くする」と考え、
②同じ問題が起きないように「収容を避ける」ことを最優先し、
③ルール無視の「裁量文化」を間違った方向に使っている
のだろう。

しかし、これでは、我が国の在留資格制度は崩壊する。一度入国してしまえば、半ば何でもありになってしまう米国の現状を見ているようだ。入管法違反の判決では、「不法就労は、我が国の出入国管理の根幹を揺るがす行為そのものだ」と断罪されるものだが、オーバースティでも「コロナビザ」がもらえて就労できるのだから、もうどうでもいいということなのだろう。

その一方で、法務省が出した実務研修のガイドラインに沿った申請であるにもかかわらず、「学校での勉強内容と従事する仕事の関係性がいまひとつよくわからない」として、就労ビザを不許可にしておきながら、「帰国準備ビザ」ではなく、6ヶ月の「コロナビザ」を許可して在留カードを渡したりしている。だったら、1年の許可を出して、1年後に審査すればいいだけだろう。

「出入国在留管理庁職員の使命と心得」は、「外国人の在留の公正な管理」を目標に掲げ、「出入国在留管理行政の専門家としての自覚を持ち、法令等を精読し、業務上の知識を養うとともに、求められる規範を遵守する」とか「業務が公正に行われているかを常に意識し、改善すべき点は躊躇なく意見を述べ、又は自ら見直す」とか書いてあるが、そこは完全に無視している。

日本の在留資格制度は、あってなきがごとしになった。これで、外国人観光客が大量に入ってくれば、かつてフェリー船での来日で見られたような大量失踪が出てくるだろう。昔は「コロナビザ」はなかった。でも、いまは「コロナビザ」がある。いまや日本は「世界で一番在留資格と就労資格が許可される国」なのだ。


【読む・観る・理解を深める】
➡ 耳障りが良く理想的な「多文化共生」は失敗だった・・・欧州の各首脳が認めています。欧州よりも同質性の高い日本では「同化主義」しか取り得ません

➡ 岸田政権が決定した「留学生に対する10万円の給付」よりも、大きくて深刻な問題がある!
➡ 外国人派遣は「不法就労」の温床です! 派遣先の大企業を摘発しない限り、不法就労はなくなりません。
➡ 岸田政権は正しく日本を率いていけるのか? 「出国」の正常化も、「在留」の正常化も、「入国」の正常化にも興味なし!?

➡ 衆院選間近! 新任の古川法務相は、入管行政の正常化には踏み込めない?! 今回の入管行政の失敗は、民主党政権における2010年の失政を超えるのか?!

➡ 新しい法務大臣は、古川禎久衆議院議員になりました。外国人参政権に反対する保守派の大臣です。入管行政の正常化は図られるのか?!

➡ いまは「観光客でも日本で就労できる」という異常事態が続いています。オリンピック後に大問題にならないことを祈ります。技能実習も留学も現場はぐちゃぐちゃです。

「移民は是か非か?」という高邁な議論をする前に、目の前にいる「在留外国人」を直視すべきです。正面から議論しないから、入管政策がぐちゃぐちゃになっているのです。