第16話　ポリティカル・コレクトネス

2021年01月16日

（・・・しかし、フル装備のあいつらは連絡をしながら追跡してきたはずだ。この場所がバレルのも時間の問題だろう・・・。バウワーは、トランシーバーに手を掛けると、早口で話し始める。「ミスター・プレジデント。証拠となるUSBは入手しました。中身は確認できていません。 ... もっと読む

第15話　トランプ大統領による恩赦

2021年01月15日

（軍隊仕様だとはいえ、森林の真下のトンネルでもつながるとはな・・・。山小屋の出口は相当近そうだ。ただ、こいつが鳴ると言うことは・・・。イエス、ミスター・プレジデント！ 歩みを止めたバウワーは直立不動で話し始めた。ご命令通り、バイデンを確保しました。全部話す ... もっと読む

第14話　バイデン大統領への祝電

2021年01月14日

（エリー湖の日没は早い。すでに周りが薄暗くなってきているのは、２人にとって好都合だった。きっと奴らは、俺たちがワシントンを目指して、南を目指すと読むだろう。エリー湖の北西に向かうとは思っていないはずだ・・・。湖を突っ切って、向こう岸のデトロイトまで辿り着 ... もっと読む

第13話　賄賂塗れのケンプ州知事

2021年01月13日

（ジョー・バイデンが言った通り、倉庫や寝室を含めて４部屋ほどある「隠れ家」には、ありとあらゆる武器が取り揃えられていた。拳銃やライフル、散弾銃、機関銃はもとより、グレネードランチャーや対戦車ミサイル、火炎放射器、手榴弾も揃っている。プラスチック爆弾のC-4す ... もっと読む

第12話　ベンガジ事件の波紋

2021年01月12日

バリバリバリバリバリ・・・。（正体不明のヘリコプターのプロペラ音が次第に大きくなってくる。バックミラーやサイドミラーで確認することはできないが、上空から、ジャック・バウワーとジョー・バイデンが載っているリムジンに極めて速いスピードで迫ってきているのは確か ... もっと読む

第11話　ジョー・バイデンの逃走

2021年01月11日

（弱っていくジョー・バイデンを横目で見ながら、ジャックの脳細胞は高速度で回転していた。マイクロ波による攻撃を避けることは容易ではない。コンクリートですら軽々と通過してしてしまうからだ。金属的なもので遮断しようとしても、密封しなければダメージは避けられない ... もっと読む

第10話　見えない敵からの攻撃

2021年01月10日

（一面の静寂が美しい森林と青く光る湖を覆っていた。フープス貯水湖の上の空は、かすかに曇っている。初冬の太陽の光は、薄い雲を通り抜けて、バルコニーにも静かに降り注いでいたが、格段の暖かさをもたらすほどまでの力はなかった。森林の中で潜んでいる新芽たちは、その ... もっと読む

第9話　浮かび上がる巨大な影

2021年01月09日

（あいつら・・・・「あいつら」とはいったい誰なのか・・・？　巨大な影に怯え、情けなく泣き崩れるバイデンの姿を見下ろしながら、硬い表情のまま、バウワーの頭脳は急回転を始めていた。老政治家の顔は焦燥し、さらに5年は歳を加えたような老いた表情を示している。トルー ... もっと読む

第8話　ロシアゲートの不正盗聴

2021年01月08日

（半世紀もの歳月を生き残ってきたベテランの政治家は、態勢を立て直した。相手は、たかが一捜査官だ。CTUという組織も上位の組織ではない。知り合いの長官連中に電話一本かければ、捜査官のクビなど、1ヶ月以内に飛ばせるだろう。何も動揺する必要はない。・・・）「ミシガ ... もっと読む

第7話　ジョー・バイデンの失言

2021年01月07日

（ジャックとバイデンの間で交わされている激論とは無関係に、テレビの中のパウエル弁護士は、ひたすら話し続けていた。・・・「私たちは、危機の瀬戸際にいます。これは、本質的に「新しいアメリカ独立革命」だと言ってよいでしょう。この国の自由を守りたい人は、いますぐ ... もっと読む

第6話　パウエル弁護士の告発

2021年01月06日

（そのとき、2人の側で、成り行きを心配そうに見守っていたロン・クレインの携帯が鳴り、2人の間の険悪な雰囲気が一瞬和んだ。しかし、電話口に出たロンの表情は険しい。「ジョー！　以前からマークしていたリンウッド弁護士が怪しからんことをツイートしています。『今回の ... もっと読む

第5話　疑惑まみれのドミニオン社

2021年01月05日

（問題は、「郵送投票」だけではなかった。2020年の大統領選挙では、「投票集計機」あるいは「投票集計ソフトウェア」の問題点が指摘されていた。そして、その問題を指摘したのは、ネットで話題になっているトルーマン・ブラックだけではなかった。トルーマン・ブラックより ... もっと読む

第4話：不正投票を告発する者

2021年01月04日

（ジャック・バウワーは、直立不動のまま黙ってバイデンの言葉を聞いていた。端正な顔立ちは硬直さを増し、一言も発せずに、ただただ立ち尽くしていた。しかし、その双眸は、鋭くベテラン政治家の瞳を射抜いている。それは、「権力者の命令であったとしても、理不尽な命令に ... もっと読む

第3話：トルーマン・ブラックの発見

2021年01月03日

（ジョー・バイデンは、上院議員に初めて当選した直後の1972年12月に、妻のネイリアと娘のナオミを失っただけに、安全運転にはうるさかった。次期大統領になるボスの意向をよく理解しているベテランの運転手は巡航速度で、デラウェア州のグリーンヴィルへと向かう。バイデン ... もっと読む

第2話：トランプ大統領の否認

2021年01月02日

（翌朝のメディアは、壇上の男の勝利を祝う記事や番組で溢れていた。しかし、ジョー・バイデン自身の高揚感は長く続かなかった。次期の大統領職を競い合った、現大統領のドナルド・トランプが「敗北宣言 (Concession Speech)」をしないからだ。潔く負けを認めるどころか、ツ ... もっと読む

第1話：ジョー・バイデンの勝利

2021年01月01日

皆さん、皆さんは明らかな意思を示しました。そして、私たちに勝利をもたらしてくれました。誰もが納得できる勝利です。アメリカの国民にとっての勝利です。私たちは、アメリカ大統領選史上で最多の7400万もの票を獲得しました。今夜、この国の隅々まで、そして世界中に喜び ... もっと読む