第3版  2021.5.24

  

「新型コロナウイルス感染症」に関する科学的事実

―― 「緊急事態宣言」の発令や延長に科学的根拠はあるのか? ――

3.PCR検査結果に係わる恣意性

l  厳密に言えば、PCR検査が検出しているのは、「新型コロナウイルス」そのものではありません。検出しているのは、「新型コロナウイルス±γ」の一部です。しかも、PCR検査による「陽性」は「ウイルスの感染力」を意味するわけでもありません。したがって、PCR検査の信頼性については、二重に疑問符が付いているわけですが、さらにその信頼性を低下させる方向で働いているのが、「Ct値(増幅回数)」と民間業者の思惑とWHOの動きです。

Ø  Ct値」に関する議論については、「参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会」(2020.12.2【資料87】)と「我が国のCOVID-191波から学んだこと-内科医の立場から-」(2020.8.14【資料89】)を読めば、日本の「Ct値」が国際的にも科学的にも高水準であり、必要以上の「陽性者」を検出している可能性が高いことがわかります。

Ø  尾身分科会会長は、「35ぐらいがよいのではないか」【資料89】と発言し、現在4045回の「Ct値」を35回ぐらいに引き下げることを示唆していましたが、記者会見等でこの問題を提起することはなく、正しい方向に向けてリーダーシップを果たすことはありませんでした。

l  日本において適用されている4045回というレベルのCt値が極めて高い水準であることは否定できない事実です。米国で承認されているPCR検査キット【資料90】には、「Ct値が37回を超えるとグレーゾーンであり、Ct40回以上は陰性と考えるべき」と明記しているものがあるほか、世界における新型コロナウイルス感染症対策を主導している米国CDCのファウチ博士ですら、「Ct35回以上は全く利用価値がない」(Any positive test above 35 cycles is a false positive)と公の場で発言しており、その発言を裏打ちする学術論文【資料9195】が数多く公表されています。

Ø  ポルトガルの裁判所は、新型コロナウイルスのPCR検査は信頼できるものではなく、この検査結果をもとにした強制隔離は違法という判決を下しました(2020.11.22BonaFidr【資料97】)。その判決では、PCR検査を35回以上のCt値で行った場合、精度は3%まで下落すると結論付けている論文「Correlation Between 3790 Quantitative Polymerase Chain Reaction–Positives Samples and Positive Cell Cultures, Including 1941 Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 Isolates」(2020.9.28Oxford Academic【資料98】)を参考にしており、25回以上のCt値で行ったPCR検査は全く信頼性に欠けるという判断を下しています。

Ø  PCR検査の利権や既得権益に関係しているため、PCR検査の有用性を擁護する立場にある専門家たちは、Ct値を巡るこうした主張に対して、「精密な技術を要するPCR検査においては、諸条件によって適切なCt値が変わり得るため、Ct値だけで議論するのは間違っている」と反論しています。しかし、その反論は、「誠実かつ清廉潔白で歪んだ検査をすることのない熟練検査士たちが大量に揃っている」というあり得ない前提を置いています。現実を直視しない屁理屈だと言わざるを得ません。

l  PCR検査という商売」は、極めて優れたビジネスモデルの構造を持っています。治療ではなく、検査するだけなので、対象者がいなくなりません。「その時の検査」にすぎないため、毎週・毎月のリピーターを見込むことができる上に、「陽性」になった場合は、「偽陽性の可能性」を示唆して再検査を薦められるほか、「濃厚接触者」である知人を連れてきてもらうことも可能です。しかも、「Ct値」を引き上げて(50回など)、「陽性」にしやすくすることもできます。1検体1万円以上は儲かるので、3ヶ月で10万検体こなすクリニックは、3ヶ月で粗利が10億円儲かる計算になります。したがって、民間業者は、PCR検査の数を強力に拡大する方向で動きます

Ø  病院や医院の現場においても、PCR検査を増やすインセンティブが強烈に働いています。というのは、PCR検査で「陽性」になれば、診療報酬が2~5倍になる制度が導入されているからです(中医協【資料99】)。このため、本当の新型コロナウイルス感染症の患者の受入れには非協力的であっても、入院中の患者に対してはPCR検査を実施して、わざわざ「陽性」にして診療報酬を嵩上げするという行為を誘発しています。

Ø  事実として、PCR検査は、実施する主体によって、検査結果の精度が区々だという問題があります。「参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会」(2021.3.23【資料100】)においても、「正答率が96.4%~99.87%であったものの、500施設中3施設に問題があったことは軽視できない」「PCR 検査に使われる検査薬においては、3分の1の確率で偽陽性が発生したものがあった」などと指摘されています。

Ø  この点については、NHKが「愛知県内で新型コロナウイルスの感染の確認が発表されていた少なくとも34人が、PCR検査を行った民間の検査会社のミスで誤って陽性と判定されていたことが分かりました」(2021.5.22NHK【資料101】)と報道するなど、民間のPCR検査における「偽陽性」の問題は、世間に少し知らされるようになりました。

l  このように、日本では、相対的に高い「Ct値」が維持される中で、扱う民間業者が激増し、病院や医者の思惑もあって、PCR検査の件数が急速に増加してきました。ところが、そのような状況下で、2021120日、WHOは、PCR検査に関するガイドライン「Diagnostic testing for SARS-CoV-2」(2020.9.11【資料102】)を改定し、「従来のやり方だと偽陽性が多いので、Ct 値を下げて陽性者を減らすべき」だと示唆。当初は、「Ct値」が高くなり得るPCR検査でも「suitable(=OK)」と認定し、「陽性者=感染者」として、「世界的な感染拡大(パンデミック)」であることを認定していたのですが、現在は、「Ct値」が高くなり得るPCR検査を「unsuitable≠OK)」として、「Ct値」の低下を推奨するように変わってきています。

Ø  Virus neutralization assays are considered to be the gold standard test for detecting the presence of functional antibodies. These tests require highly skilled staff and BSL-3 culture facilities and, therefore, are suitable for use in routine diagnostic testingp7)」における「suitable」が、今回「unsuitable」に変更されました。その趣旨が「Ct値の低下である」ことについては、「World Health Organization updates PCR test guidelines」(REBELNEWS【資料103】)がわかりやすく解説しています。

l  WHOの指導によって世界的に「Ct値」が低くなれば、「陽性者」は少なくなり、表面上、感染拡大は収束する方向に向かいます。時期的には、ちょうどワクチン接種が始まっているので、「陽性者」が減ることにより、ワクチンが効いたように見えるのかもしれません。実際、WHOによる方針変更は、「ワクチン接種の開始を見込んだもの」という穿った見方すらあります。

Ø  昨年末にWHOは、「集団免疫」の定義に関して、「自然免疫による集団免疫の獲得」を否定し、「ワクチン接種によってのみ達成される」という内容に変更しましたCoronavirus disease (COVID-19): Herd immunity, lockdowns and COVID-19【資料104】)。WHO事務局長は、「科学的にも倫理的にも問題がある」と主張して、自然免疫ではなく、ワクチンの接種による集団免疫の獲得を強力に推奨しています(BBC【資料105】)。

Ø  つまり、①WHOは高い「Ct値」を容認➡②陽性者増加でパンデミック発生➡③ワクチン需要の爆発的増大➡④ワクチン開発の成功➡⑤WHOは「集団免疫」の定義を変更しワクチン接種を推進➡⑥ワクチン接種の開始➡⑦WHOは低い「Ct値」を推奨➡⑧陽性者減少でワクチン効果を強調、というシナリオだったのではないか、という見立てです。

l  いずれにせよ、suitable」が「unsuitable」になったり、「Ct値」が上下したりするPCR検査の結果は、かなり恣意的なものであり、PCR検査の結果だけに一喜一憂して、感染状況を判断すべきではないということは明らかです。一喜一憂するようであれば、それは、「新型コロナウイルス感染症」に感染しているのではなく、「PCR陽性病」に罹患していると考えるべきです。

Ø  PCR検査が検出しているのは、「新型コロナウイルス」そのものではない、②PCR検査による「陽性」は「ウイルスの感染力」を意味するわけではない、③PCR検査の結果はかなり恣意的である、という事実を踏まえるならば、医療の原点に立ち戻り、発症した患者を速やかに診断し、重篤化が懸念されれば、PCR検査を即時に行って、陽性者に入院を勧める」という至極当たり前の態勢を整備することを最優先にすべきです。

Ø  なお、厚生労働省は、事務通達【資料106】により、集団的にモニタリングする「プール方式」において、「Ct値」を3035回にまで引き下げる方針を打ち出しました。実務的には、複数の検体が希釈される分だけ、さらに「Ct値」が引き下げられることになります。

➡ 厚生労働省は「新型コロナウイルスが存在している」ことを証明した科学的文献を持っていないことを認めています。なんなんだかねぇ。も参考になります。

➡ 日野市議が質問したら、健康福祉部長は「PCR検査が新型コロナウイルスを検出している、あるいは、ウイルスの存在を証明する科学論文を国に問い合わせたがなかった」と回答しましたも参考になります。

➡ コロナ問題やワクチン問題を、科学的・体系的に理解したい方は、「科学的事実①:はじめに」から「新型コロナウイルス感染症に関する科学的事実(第三版:2021.5.24)」をお読みください。

【資料89】日本内科学会雑誌 第109巻第11号(2020.8.14
・我が国のCOVID-191波から学んだこと-内科医の立場から-
https://www.naika.or.jp/jsim_wp/wp-content/uploads/2020/11/nichinaishi-109-11-article_Zadankai.pdf

【資料90Jiangsu Bioperfectus Technologies Co, Ltd.
COVID-19 Coronavirus Real Time PCR KitINSTRUCTIONS FOR USE
https://www.fda.gov/media/139279/download

【資料91Nature Medicine2020.4.15
Temporal dynamics in viral shedding and transmissibility of COVID-19
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0869-5

【資料92National Center for Biotechnology Information2020.4.27
Viral RNA load as determined by cell culture as a management tool for discharge of SARS-CoV-2 patients from infectious disease wards
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7185831/

【資料93Eurosurveillance2020.8.13
Duration of infectiousness and correlation with RT-PCR cycle threshold values in cases of COVID-19, England, January to May 2020
https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2020.25.32.2001483

【資料94National Center for Biotechnology Information2020.10.27
Repeat COVID-19 Molecular Testing: Correlation of SARS-CoV-2 Culture with Molecular Assays and Cycle Thresholds
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33104776/

【資料95The Journal of the American Medical Association2020.11.12
Assessment of SARS-CoV-2 RNA Test Results Among Patients Who Recovered From COVID-19 With Prior Negative Results
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2773053

【資料96Annals of Internal Medicine2021.4.27
Performance Evaluation of Serial SARS-CoV-2 Rapid Antigen Testing During a Nursing Home Outbreak
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M21-0422

【資料97BonaFidr2020.11.22
・ポルトガルの裁判所が、PCR検査は信用できず、強制隔離は違法という判決を下す
https://bonafidr.com/2020/11/22/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%88%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%81%AE%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80%E3%81%8C%E3%80%81pcr%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%AF%E4%BF%A1%E7%94%A8%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%9A%E5%BC%B7%E5%88%B6/?fbclid=IwAR19SV5qSOskah-uyNWGarWassCu_rmQaP_Vk5Y3tsy24scneKxGaMHEOF4

【資料98Oxford Academic2020.9.28
Correlation Between 3790 Quantitative Polymerase Chain Reaction–Positives Samples and Positive Cell Cultures, Including 1941 Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 Isolates

https://academic.oup.com/cid/advance-article/doi/10.1093/cid/ciaa1491/5912603

【資料99】中医協(2020.9.14
・新型コロナウイルス感染症患者の受入れに係る診療報酬上の特例的な対応について
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000671934.pdf

【資料100】参議院(2021.3.23
・地方創生及び消費者問題に関する特別委員会
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=120415328X00220210323&current=37

【資料101NHK2021.5.22
・民間のPCR検査でミス 少なくとも34人を誤って陽性と判定 愛知
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210521/k10013044941000.html

【資料102WHO2021.1.20
Diagnostic testing for SARS-CoV-2
https://www.who.int/news/item/20-01-2021-who-information-notice-for-ivd-users-2020-05

【資料103REBELNEWS2021.1.21
World Health Organization updates PCR test guidelines
https://www.rebelnews.com/world_health_organization_updates_pcr_test_guidelines

【資料104WHO2020.12.31
Coronavirus disease (COVID-19): Herd immunity, lockdowns and COVID-19
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/herd-immunity-lockdowns-and-covid-19

【資料105BBC2020.10.13
・集団免疫をあてにするのは「不道徳」=WHO事務局長が警告
https://www.bbc.com/japanese/54519591

【資料106】厚生労働省(2021.1.22
・医療機関・高齢者施設等における無症状者に対する検査方法について
https://www.mhlw.go.jp/content/000725744.pdf