第3版  2021.5.24

 

「新型コロナウイルス感染症」に関する科学的事実

―― 「緊急事態宣言」の発令や延長に科学的根拠はあるのか? ――

2.副反応に関するネガティブ情報

l  報道されていたネガティブ情報としては、「新型コロナワクチン接種後の死亡者が増加―ノルウェーの高齢者」(Bloomberg2021.1.17【資料32】)などが知られており、この報道をベースに試算すれば、死亡率0.07%(=29人÷42,000人)が導かれることになり、日本における広義の死亡率0.005%(=年間6000人÷12000万人)を遥かに上回る結果になってしまいます。

Ø  スウェーデンでは、127日の時点において、ファイザー製のワクチンを接種した21万人に対して、有害事象の発生は400人(0.2%)と低めであるものの、重症は146人(0.07%)で、死亡44人(0.02%だったと報告されています(80歳以上が36人)。1万人の中で2人が死亡するとすれば、日本では75歳以上の高齢者が1870万人います(2021.1.1時点)から、その方たち全員がファイザーのワクチンを接種し、スウェーデンと同等の事象が生じた場合には3,740人が死亡することになります

Ø  万が一、ノルウェーと同等の事象が生じた場合、日本では、死者が1.3万人に達し、新型コロナウイルス感染症に係る死者数を超えてしまいます。なお、ファイザー製ではありませんが、ノルウェー政府は、2021512日に、アルトラゼネカ製の新型コロナワクチンの使用を完全に打ち切ることを明らかにしました(2021.5.13:毎日新聞【資料33】)。

l  この点、英国では、約50万人がファイザー製の新型コロナワクチンを接種(2回)している中で、致命的な結果(Fatal Outcome)として報告されたのは107人(COVID-19 mRNA Pfizer- BioNTech vaccine analysis print2021.2.12【資料10】)ですから、比率を計算すると0.02となり、死亡率は概ねスウェーデンと同じレベルだということが分かります。

Ø  ちなみに、インドは、「ファイザー社のワクチンは、インド以外の一部の国で接種後の障害、全身的なアレルギー反応・アナフィラキシーショック、その他の重篤な副反応が報告されている」として、ワクチンの承認を却下していますparstoday2021.2.7【資料34】)。

l  米国に関しては、「COVID-19 vaccine safety update」(2021.1.27【資料8】)が、ファイザー製の新型コロナワクチン接種者(2021.1.16時点)が34,148人(2回目)の時点において、ワクチン接種後に死亡した人の人数(死因を問わない:2021.1.18時点)が113人だったという事実を開示しており、ワクチン接種後の死亡率が0.33%になり得ることを示しています。この数値が事実に近いとすれば、日本における新型コロナウイルス感染症による広義の死亡率0.005%を上回る結果になることは避けられないと思われます。

Ø  もっとも、公正を期すために付記すれば、新型コロナワクチンの接種者を「1回目(86,996人)」で定義した場合、接種後の死亡率は0.13%に低下します。また、CDC は「米国での他の死因による死亡の影響を平均的に勘案すれば、ワクチンの接種によって、死亡率が悪化したとは考えられない(だから大丈夫)」という結論を下しています。

l  無論、新型コロナワクチンを認可した厚生労働省の立場からは、「ワクチンが直接の死因ではない」(The Japan Times【資料35】)という反論や「因果関係を精査することが必要」(Bloomberg【資料36】)と説明することは十分に可能です。しかしながら、日本における「新型コロナウイルス感染症による死亡者」は、厚生労働省の事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者の急変及び死亡時の連絡について」(2020.6.18【資料37】)において、「新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方」と定義されており、ワクチン接種後に死亡した人がどんどん増えていくと、「直接の死因を調べないとワクチンによる死亡とは言えない」という言い訳を言い続けることは徐々に困難になっていくと思われます。

Ø  埼玉県は、2020612日の時点で13人の感染者について、「死因はウイルスとは別にある」として、新型コロナウイルス感染症の死者から除外していました(2020.6.14:読売新聞【資料38】)が、厚生労働省の指導により、「コロナ死」として報告し直しました(2020.6.26:朝日新聞【資料39】)。結局、日本政府と当局は、正しい死因を調べることなく、憶測と感覚だけで正しくない施策を打ち続けていることになります。

Ø  ワクチンを接種したことに因る死者の親族が「新型コロナウイルス感染症の死者については、PCR陽性だけで新型コロナでの死者にカウントしているじゃないか! ワクチンだって同じ扱いにすべきだ!」と分かりやすい啖呵を切り、メディアが煽り始めれば、如何に巧みに言い訳しようが、世論的には、厚生労働省の「負け」になります。すでに死者が出ており、予防接種健康被害救済制度による金銭保障などの生臭い問題が絡んでくるだけに、いずれ猛烈な批判に晒されるでしょう。その上に、既述した①②③の事実が加わると、ディフェンスはかなり困難です。

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新型コロナに関する科学的事実⑤:ワクチンによる感染症予防の効果

➡ 厚労省の委員会で、薬害の専門家がワクチンに対して重大な警告を発しました。河野大臣は反論できるか? それにしても事務局の回答はグダグダで、人の命を預かっている真剣さがない。も参考になります。 

➡ ファイザーからおカネもらってたら、ワクチンの悪いことは言えないよね。ワクチン接種後の死者が2021年の半年だけで、1990~2020年の30年分の死者数を超えている理由を解説してほしい!も参考になります。

➡ コロナ問題やワクチン問題を、科学的・体系的に理解したい方は、「科学的事実①:はじめに」から「新型コロナウイルス感染症に関する科学的事実(第三版:2021.5.24)」をお読みください。

【資料32Bloomberg2021.1.17
・新型コロナワクチン接種後の死亡者が増加-ノルウェーの高齢者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-17/QN1V23T1UM0W01
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-01-16/norway-vaccine-fatalities-among-people-75-and-older-rise-to-29

【資料33】毎日新聞(2021.5.13
・アストラゼネカワクチン使用打ち切り ノルウェー、血栓症状で
https://mainichi.jp/articles/20210513/k00/00m/030/141000c

【資料34Parstoday2021.2.7
・インドが、米ファイザー社のワクチンを承認せず

https://parstoday.com/ja/news/asia-i71212

【資料35The Japan Times2021.1.24
No European deaths directly tied to COVID-19 jabs, experts say
https://www.japantimes.co.jp/news/2021/01/24/world/science-health-world/european-deaths-directly-tied-covid-19-jabs-experts/

【資料36Bloomberg2021.1.13
・ファイザー、ワクチン接種後の死亡例を調査-因果関係の有無巡り
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-13/QMU9G9T1UM1101

【資料37】厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部(2020.6.18
・新型コロナウイルス感染症患者の急変及び死亡時の連絡について

https://www.mhlw.go.jp/content/000641629.pdf

【資料38】読売新聞(2020.6.14
・「コロナ死」定義、自治体に差…感染者でも別の死因判断で除外も   
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200614-OYT1T50084/

【資料39】朝日新聞(2020.6.26
・新型コロナ死者計18人、他の死因理由に国へ報告せず
https://www.asahi.com/amp/articles/ASN6V6J5TN6VULBJ006.html