第3版  2021.5.24

  

「新型コロナウイルス感染症」に関する科学的事実

―― 「緊急事態宣言」の発令や延長に科学的根拠はあるのか? ――

第Ⅱ章 新型コロナワクチンの効果とリスク

l  厚生労働省は、「予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で」と指摘しているので、前章で説明した新型コロナワクチンに関する「副反応のリスク」に対して、「感染症予防の効果」が優っているか否かに関する科学的事実を確認することにします。

1.ワクチンによる感染症予防の効果

l  ファイザー製の「新型コロナワクチン」を接種するのは、「ワクチンが有効だ」という科学的知見に因るものであるはずです。マスコミは、ファイザー製ワクチンには「90%を超える予防効果がある」(NHK【資料29】)と報道しましたが、その情報源は「Pfizer and Biontech Announce Vaccine Candidate Against COVID-19 Achieved Success in First Interim Analysis from Phase 3 Study」(2020.11.9【資料30】)でした。この資料を読むと、「90%を超える予防効果」は「感染者の減少率」で測られていることがわかります。

Ø  この臨床試験では、「ⓐワクチン未接種21,769人のうち感染者が85人だったのに対して、ⓑワクチン接種21,769人では感染者が8人にとどまった」という結果が得られました(推計を含む)。その結果から、ファイザー社は、90.6%(=1-8 ÷ 85)という数値を導き出し、「90%を超える予防効果がある」【資料30】という情報を流しています。

l  しかし、上記の結果から非感染者の比率を導くと、ⓐワクチン未接種の場合、感染しない確率は99.6%(=(21,76985÷21,769)ですが、ⓑワクチンを接種した場合は99.9%(=(21,7698÷21,769)になるという事実が明白になります。つまり、ファイザー製の「新型コロナワクチン」を打つと、感染しない確率を0.3%向上させることができると言うだけに過ぎないことがわかります。つまり、上記の事実を整理すると、下記の3点が導かれます。

     ワクチンを接種しなくても、99.6%は感染しない(日本においては、約12000万人の国民のうち、PCR検査の陽性者が年間40万人程度ですから、感染しない比率は、米国と同様に99.6%~99.7%だと言えます)。

     ワクチンを接種すると、感染しない比率が0.3%向上する

     ワクチンを接種すると、2.8%の人が日常生活に支障が出る(あるいは、38度以上の発熱を生じる人が15.8%発生し、日常生活に支障が生じる疲労に襲われる人が4.6%、同程度の頭痛になる人が3.2%出る。もしくは、生命にかかわる重篤な症状が1.7%の確率で出るかもしれない)。

l  国民の多くは、「ワクチンは90%を超える効果がある」という報道は記憶していても、上記①②③については自覚していません(特に③)。このため、ワクチンを接種して「重度の副反応」に罹患した国民が、その後に①②③(特に③)の事実を知ったときの怒りは想像に難くありません。厚生労働省は、「予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています。受ける方の同意なく、接種が行われることはありません」【資料2】と主張して、リスクを衡量した上での自由意思の結果にすぎないと言い張るでしょうが、そういう対応は国民の怒りを増幅するだけに終わるでしょう。

Ø  接種についてのお知らせ【資料2】は、「新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種は、強制ではありません。しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます」と説明していますが、国民の立場に立てば、「日常生活に支障が生じる可能性が3%ある」という事実を明確に述べずに、ワクチンの接種を推進することは、「嘘」あるいは「詐欺」以外の何物でもありません。

l  ちなみに、国立感染症研究所の脇田隆字所長は、2021217日の衆議院予算委員会(国会中継【資料31】)で、「現在いま使用されている新型コロナワクチンの感染予防効果は明らかでないため、現時点では、集団免疫を達成するための予防接種率は不明」と答弁しており、「新型コロナワクチンが効くので、今後は全く心配ない」と強弁している専門家はいません。

Ø  また、尾身茂分科会会長は、2021214日に「300万人の医療従事者へのワクチン先行接種により、欧米人と比べ日本人の副反応がどうなのかが分かる」(NHK日曜討論)と発言しており、要するに「今の時点ではわからない」と正直に述べています。

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➡ 河野大臣が「ワクチンデマ」についてブログで解説しています。異なる主張を展開する学術論文も熟読した上で、自分の頭で考えましょう。河野大臣の反論は「勝利宣言」になるのか?!も参考になります。

➡ 河野大臣の「ワクチンデマについて」に対する反論が沸き起こっています。河野大臣を擁護する方々の舌鋒も激しく展開中。折角だから、地上波でディベートすればいいのに。も参考になります。

➡ コロナ問題やワクチン問題を、科学的・体系的に理解したい方は、「科学的事実①:はじめに」から「新型コロナウイルス感染症に関する科学的事実(第三版:2021.5.24)」をお読みください。

【資料29NHK2020.11.10
・ファイザー 新型コロナ ワクチン「90%超の予防効果」と発表
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201109/k10012703511000.html

【資料30Pfizer2020.11.9
Pfizer and Biontech Announce Vaccine Candidate Against COVID-19 Achieved Success in First Interim Analysis from Phase 3 Study
https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-announce-vaccine-candidate-against

【資料31】衆議院予算委員会(2021.2.17
・国会中継
https://www.youtube.com/watch?v=TGMzT5tk7uo