第3版  2021.5.24

  

「新型コロナウイルス感染症」に関する科学的事実

―― 「緊急事態宣言」の発令や延長に科学的根拠はあるのか? ――

2.副反応に関する当初の当局説明

l  副反応についてほとんど書いていなかった「Q&A」【資料3】はもとより、「重大な安全性の懸念は認められず、グレード3の有害事象で頻度が2%を超えるものは、疲労3.8%と頭痛2.0%のみであった」【資料5】という表現は明らかに説明不足であり、ミスリーディングです。厚生労働省は、後述するアリバイ作りを含めて、数多くの言い訳を用意しているでしょうが、CDCが指摘した結果が日本において出現した場合、それらの言い訳は、火に油を注ぐだけの結果に終わり、多くの国民が「日常生活に支障が生じる可能性が3%もあるなんて知らなかった」と怒り出すかもしれません。

Ø  新型コロナワクチンを接種すると、3%の人は日常生活に支障が生じる可能性があります」という説明が報道で流れたことはありませんし、厚生労働省や担当大臣も、国民に対して分かりやすく説明していません。新型コロナワクチンが承認されて接種が始まっている現時点においても、国民に対して、上記の事実を明確に説明していないのは大問題です。

l  厚生労働省は、ファイザー製の新型コロナワクチンを承認した際のプレスリリース【資料11】でも何ら説明しませんでした。ただし、当該リリースの添付文書【資料12】において、極めてわかりにくい書き方ではありますが、副反応に関する事実を開示し、「説明した」というアリバイを作っています。

Ø  当該添付文書【資料12】は、下記の治験結果を開示しています。

   日本での治験(2回接種後) 米国での治験(2回接種後)
疲 労 60.3Grade 33.4)  55.5%(Grade 33.8%)
頭 痛 44.0Grade 31.7)  46.1%(Grade 32.0%)
悪 寒 45.7Grade 31.7)  29.6%(Grade 31.6%)
疼 痛 79.3Grade 31.7)  72.6%(Grade 30.9%)
発 熱 32.8Grade 30.9%)  13.6%(Grade 30.9%)
関節痛 25.0%(Grade 30.9%)  20.5%(Grade 30.7%)
筋肉痛 16.4%(Grade 30.0%)  33.5%(Grade 31.7%)

(注1)「Grade 3」は、重症度が「高度(日常活動を妨げる)」以上として報告された事象を指す。

(注2)発熱(38度以上)については、38.9℃を超えた場合に、重症度が高度(Grade 3)以上とした。

(注3)1%未満ではあるが、顔面麻痺や四肢痛、背部痛が報告された

l  厚生労働省がわかりにくく開示している内容を、多くの国民が理解できるようにわかりやすく言い換えるならば、「過半数近い接種者において、疲労・頭痛・悪寒や接種部の痛みが発生し、3~5人に1人は発熱・関節痛・筋肉痛という症状が出る。日常生活に支障が生じる程度に悪化する可能性は、疲労で3%を超え、頭痛や悪寒は2%程度。接種部の痛みや発熱、関節痛、筋肉痛は1%前後になる。また、稀ではあるが、顔面麻痺や四肢痛、背部痛の可能性もある」ということになります。しかし、田村憲久厚生労働大臣は、認可直後の記者会見(2021.2.16【資料13】)において、「本当にごくごくまれな状況で起こりますから、そういう情報もしっかりとお伝えさせていただいて、やはり副反応の情報をちゃんとお知らせするというのが大事」と言いながらも、肝心な数値などについては丁寧に説明していません。

Ø  記者会見【資料13】において、田村厚生労働大臣は、新型コロナウイルスの「副反応」のことを尋ねられて、下記のように応えています。

(記者)ワクチンの話ですが、副反応が発生した場合に、どう国民に伝えて理解を促していくかという点と、今後幅広く国民に接種を呼びかけるための考え方というものを改めてお示しお願いします。

(大臣)副反応は、まれではありますが、予防接種でそれは起こります。他の予防接種でもいろいろな副反応があります。ですからそこは国民の皆様方にちゃんとお伝えをしなければならないと思います。基本的に腫れでありますとか痛みですね、それから倦怠感、こういう副反応は一定の確率で出ているわけで、ただ、数日でこういうものはなくなるというのがほとんどです。ですから軽度・中等度といいますか、副反応というのは一定程度であると。一方で、アナフィラキシーショックのような、これも対処をちゃんとやれば心配ないわけでありますが、放っておくと大変な状況になるようなこういう副反応も、日本の治験ではありませんが、海外では見られているわけでございます。本当にごくごくまれな状況で起こりますから、そういう情報もしっかりとお伝えさせていただいて、やはり副反応の情報をちゃんとお知らせするというのが大事なわけで、そこをお知らせせずに、副反応がないかのような認識になりますと、軽度の副反応でも国民の皆様方はそれに対して不安感を持たれるわけでありますので、その情報をしっかり出していくということが、私は国民の皆様方にご理解をいただく一番重要なところではないかと思っております。

l  ちなみに、「副反応」については、国立感染症研究所が「新型コロナワクチンについて」(2021.2.12【資料14】)という解説書を公表しています。分かりにくい表記ではあるものの、厚生労働省よりは良心的な説明を試みていました。また、厚生労働省においても、万が一の場合のアリバイ作りを意識してか、その後は、「安全性について(臨床試験の概要)」【資料15】や「審議結果報告書」【資料16】などを開示する方針で臨むようになりました。

Ø  国立感染症研究所は、ファイザー製の新型コロナワクチンの「副反応」に関する説明部分で、下記のように記しています【資料14】。

u  接種部位の症状のうち報告が多かったのは痛み(6683%)であり、日常生活に支障が出る重症例は1%未満。

u  接種部位の症状の報告頻度は、1回目接種後と2回目接種後で同等であり、全身症状の報告頻度は1回目接種後より2回目接種後で多かった。

u  全身症状のうち報告が多かったのは疲労感(3459%)と頭痛(2552%)で、日常生活に支障が出る重症例は疲労感が3.8%、頭痛が2%、その他の症状が2%未満。

u  2回目接種後の発熱は若年群で16%、高齢群で11%

l  この間、ワクチン担当の河野太郎大臣は、「副反応」について動画(2021.2.2【資料17】)を公表し、厚生労働大臣よりも踏み込んだ発言に踏み切りましたが、「副反応の情報をちゃんとお知らせする」(田村厚生労働大臣)というレベルには至りませんでした。また、承認後に開催された「新型コロナワクチンの接種に関する記者会見」(2021.2.16【資料18】)においても、「副反応」については、厚生労働省の横槍があったためか、触れることを避けました。

Ø  河野大臣は、「ワクチンを打ったあと、打った場所の腫れ・痛み、発熱、頭痛などの副反応が起こることがあります。治療を必要としたり、障害が残るほどの重いものは、極めて稀ですが、ワクチンによる何らかの副反応が起こる可能性はゼロではありません。現在承認申請されている新型コロナウイルスのワクチンについても、打った場所の痛みが6683%の方にあったことが報告されています。また、38度以上の発熱が、2回目の接種後1116%の方に発生したと報告されています」と動画で語りました。ただし、ワクチン承認後の記者会見【資料18】では、「ワクチンの副反応に関する政策については、田村厚生労働大臣が担当することになると思います」として自ら回答することを回避しました。

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➡ 
ワクチン研究で有名な米国ソーク研究所は、コロナワクチンの mRNA が産生するスパイクタンパクが血栓を育成し、健康に害を及ぼす可能性を指摘しました。も参考になります。 

➡ mRNA技術を開発した科学者にインタビューした動画が削除された。「現状ではmRNAワクチンのリスクベネフィットができない。データを開示せよ」という真っ当な意見をなぜ削除するの?も参考になります。

➡ コロナ問題やワクチン問題を、科学的・体系的に理解したい方は、「科学的事実①:はじめに」から「新型コロナウイルス感染症に関する科学的事実(第三版:2021.5.24)」をお読みください。

【資料3】厚生労働省HP
・厚生労働省のQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00222.html

【資料5】厚生労働省(2020.12.25)
・新型コロナウイルスワクチンの副反応の収集・評価について
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000710377.pdf

【資料11】厚生労働省(2021.2.14
・医薬品医療機器等法に基づく新型コロナウイルスワクチンの特例承認について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16734.html

【資料12】厚生労働省(2021.2.14
・コミナティ筋注
https://www.mhlw.go.jp/content/11123000/000738743.pdf

【資料13】厚生労働省(2021.2.16
・田村大臣会見概要
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00321.html

【資料14】国立感染症研究所(2021.2.16
・新型コロナワクチンについて
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/corona_vaccine.pdf

【資料15】厚生労働省(2021.2.22
・ファイザー社の新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html#002

【資料16】独立行政法人医薬品医療機器総合機構(2021.2.22
・審議結果報告書
https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_A100_2.pdf

【資料17】官邸(2021.2.2
・ワクチンの副反応
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html

【資料18】官邸(2021.2.16
・新型コロナワクチンの接種に関する記者会見
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine_arch.html