(ジャック・バウワーが生涯を賭けて戦い続けてきたテロリズムの世界で、大物として恐れられてきた悪党は、例外なくインフォデミックに長けていた。情報操作で大衆の行動を有効に操る術をわきまえている。その中でも、人々は「恐怖」によって、行動を左右されるという方程式は、よく知られた基本理論であった。いったん「恐怖」によって、思考の方向性が定着してしまうと、人間は、その思考の方向に一致する情報しか反応しなくなる、もしくは、思考方法に一致しない情報はデマとして処理してしまう。そういう風に割り切ってしまう方が、脳の情報処理として、最も効率性が高くなるからだ。・・・)

(所詮、人間は森羅万象すべての情報すべてを処理することはできない。日常生活の中で、手際よく情報を処理していくには、そうした「ヒューリステックス(人が複雑な問題解決などのために、何らかの意思決定を行うときに、暗黙のうちに用いている簡便な解法や法則)」が不可欠なのだ。このヒューリスティクスができれば、判断に至る時間は極めて速くなる。だから、その思考回路を植え付けてしまうことに成功すれば、その思考回路を理解した者は、その人間をコントロールできるわけだ。ジャックは、新型コロナウイルス感染症に関する偏向した報道が、あまりにも頻繁に垂れ流されているので、「ヒューリスティクス」を埋め込む意図を感じていた。この手法は、中国共産党が得意とする手法でもあった。・・・)

新型コロナウイルス感染症のワクチンというのも、正直言って怪しいわね。そもそも、今回開発されている遺伝子ワクチンは、鶏卵法で育成される従来のワクチンとは違って、病原体の蛋白質をコーディングする遺伝子を接種することで、病原体のタンパク質を体内で生産し、病原体に対する免疫を付与する画期的な手法なの。遺伝子ワクチンは、「鶏卵法と違って、危険な病原体を一切使用せず、安全かつ短期間で製造できるから素晴らしい」と手放しで礼賛する人もいれば、「遺伝子の指示で人体内で人工的に合成されたウイルスの抗原が人体に悪影響を及ぼす可能性があるから危ない」という専門家もいるけれど、そこは、私の専門外だからよくわかんない。・・・

でも、私でもわかることはあるわ。・・・あのさぁ、ファイザーの新型コロナワクチンが「90%超の予防効果があった」というニュースが流れてたでしょ。でも、それって、43,538人のうち94人が新型コロナウイルス感染症に罹患したんだけど、ワクチンを接種していなかった21,769人のうち85人が感染したのに対して、ワクチンを接種した21,769人のうち9人しか感染しなかった。だから、89.4%(=100%-9人÷85人)の予防効果があったという話なんだよね・・・。ニュースなんて、「9割の効果があった!」というところしか報道しないから、みんな「よかった。これで救われる」とか言ってるんだけど、なんだかねぇ・・・。

(心理学の「ヒューリスティクス」を巧みに用いれば、「マインドコントロール」が可能になる。人間の心の機能を逆手にとって、短絡的な論理を埋め込み、あたかも「自分がそうしたいから、する」といった自発的な心の変容を促すのだ。いつの間にか、本人の意思とは関係のないところで、個々人の主義主張を変えてしまう。有名な話では、1950年代に、朝鮮戦争で中国共産党の捕虜となった米兵が、自ら共産主義者であることを続々と宣言し始めたという出来事があった。これは、中国共産党が、尋問や拷問、時には薬物を使用し、捕虜米兵に対して、共産主義を信じるよう迫ったことによる。いまでは、その手段が洗練化されて、暴力を伴わなくとも、心が弱っていたり、自分探しにハマっていたり、「変わりたい」と強く願っている人の精神の隙間に入り込む手法が開発された。その中でも、効果的なのが、「恐怖」でコントロールするという方法である。・・・)

(人間に対して、何らかの「恐怖」を与えると、心の中に「その恐怖から逃れたい」という強い願望が生まれる。そうなると、心の中で、「恐怖を軽減する」方向に強いバイアスが生まれる。このコントロールは、暴力行為が行われず、肉体的苦痛を伴わないため、「誰かに強制されている」という意識が全くない。だから、自ら望んで心の変容を遂げたと錯覚してしまうため、なかなか抜け出すことができない。その意味で、マスメディアで新型コロナウイルス感染症の危険を煽り、大衆の心を弱らせる。さらに、PCR検査の数値で科学的な衣服をまとわせて、危険を感じさせる度合いを増幅させる。しかも、出口のない危険は、「心が満たされない状態」を創り出し、マインドコントロールがかかりやすくなる。こうしたマインドコントロールを解くには、他人との相談や気分転換が有効なのだが、ソーシャル・ディスタンスを強調することによって、人々を孤立させているから、なかなかマインドセットが解けない。その上で、解決策として、ワクチンをちらつかせる。そうなれば、心の平静を求めて、多くの人々がワクチンに救いの手を求めるのは自然の条理であった・・・。)

でもさ、ちょっとおかしいと思わない? だって、ワクチンを接種しなかった人の感染率は、たった0.39%(=85人÷21,769人)に過ぎなくて、ワクチンを接種した人の感染率は0.04%(=9人÷21,769人)だったという話だから、感染率をたった0.35%改善する話に過ぎないわけよ。・・・つまり、感染しない確率が99.6%(=100%-85人÷21,769人)だったのを、99.9%(=100%-9人÷21,769人)にするというだけの話なの。・・・要するに、ワクチンを接種するリスクが0.3%だけ下がるという話なんだけど、元々99.6%の人は感染しないわけで、そんなことのために、全員がワクチンを打つ意味があるのかなぁ・・・なんて、私は思っちゃう。

だってさ、CDCのファウチ所長ですら、「ワクチンを打っても、感染しないわけじゃない。感染した場合の重篤化を防ぐことに意味がある」なんて言ってるんだから・・・。そんなことより、症状がある人は速やかにPCR検査を受けられるようにして、重症化した人はすぐにICUに入れるような医療態勢を整えたほうがいいんじゃないかしら・・・。まあ、私は接種しないけどね・・・。ついでに言っちゃうと、CDCのファウチは、2017年の講演で、「2019年から2020年に、アメリカで感染症のアウトブレークが発生する」と予言していたわ。怖いくらい、何か陰謀があるかのように物事が進んでいるわけよ・・・。

(クロエ・オブライエンが示すワクチンへの懸念は、WHOの動きがあまりにも政治的であることに根差していた。じつは、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発に目途がついた2020年末に、WHOは「集団免疫」の定義を密かに変更している。これまでは、「集団免疫は、自然免疫による獲得とワクチン接種による獲得がある」という教科書通りの表記だったにもかかわらず、いきなり「自然免疫」を除外し、「集団免疫は、ワクチンの接種によって獲得される」という表現に変更したのだ。WHOのテドロス事務局長は、新型コロナウイルス対策として「自然免疫による集団免疫」を排除したことについて、「自然に感染を拡大させるのは、科学的にも倫理的に問題がある」と述べたが、未来に亘って生じ得る副作用などを無視して、「ワクチン接種による集団免疫」のみを目指すことが果たして「正義」なのかは不明だ。しかし、ワクチンを開発している製薬会社やワクチン接種を極端に増やしたいと考えている関係者にとっては、「正義」であるに違いなかった。・・・)


――「24-Twenty-Four-《ジョー・バイデン物語》第58話(4/20予定)」に続く。