この期に及んで、「戦争」の話をしているのに、プロトタイプの「正邪」や「好悪」でしか、戦況を語れない人たちが多い。米国メディアの劣化コピー以下の日本メディアから流されるプロパガンダをそのまま呑みこみ、他の情報とすり合わせて検証することもなく、「情報の洪水に流されている」だけなのに、自分では「考えている」と思い込んでいる。日本経済新聞までが大々的に報じた「ロシア軍にはスコップすらない事件」は、その後、どこも報じていないが、所詮、日本メディアの情報はその程度のもの。遥か彼方の国での「戦争」ですら、この有様なのだから、万が一、日本に関係のある台湾有事や尖閣危機や沖縄砲撃などが起これば、大本営発表にただただ流されていくだけだろう。国防にしても、防衛予算の嵩上げだけが議論の対象で、戦略も戦術もない。このままでは、弾薬の備蓄もできず、兵舎のリニューアルもできず、自衛官の待遇改善もできずに、値段を吊り上げられた米国兵器にカネを流し込むだけだろう。本当にこの国は危うい。

ロシア予備役500人超死亡 ウクライナ
2022.11.7【日本経済新聞】

ロシアの複数の独立系メディアは6日までに、ロシアが一方的に「併合」したウクライナ東部ルガンスク州で、動員令によって招集されたロシア軍予備役の1個大隊がほぼ全滅したと伝えた。500人以上が戦死した可能性が高いとされる。大隊は、ロシア中部ボロネジ州の予備役で編成されていた。生存者や親族の証言を総合すると、11月1日に「領土防衛隊」として前線の15キロ手前に到着し、深夜に前線へ展開。隊員らは塹壕を掘るよう命じられたが、スコップは多くて「30人に1本」しかなく、手で掘らざるを得なかったという。大隊の将校が後方へ引き揚げるや否や、ウクライナ軍の砲撃が3日間続いた。部隊は武器もほとんど装備していなかったといい、証言によって幅はあるが、560~570人規模とされる部隊のうち「無傷の29人、負傷した12人を除く全員が死亡した」「生存者は31人だった」などと伝えられている。(時事)



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