【VISA Report:Vol.527(2019.11.8号より転載】

l    2019年8月末に、厚生労働省政務官の上野宏史衆議院議員が、人材派遣会社「ネオキャリア」が申請する外国人労働者の在留資格を巡り、法務省に口利きし、その見返りに金銭を求めていたというスキャンダルが発覚しました。非難の矛先は上野政務官に向かっているようですが、入管法の観点から見ると、もっとヤバいのは人材派遣会社。もしも報道内容が正しいとすれば、飲食店やドラッグストアなどに派遣する外国人187名について、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得できるように依頼していた可能性があるからです。

l  外国人観光客が対象の免税店への派遣であればともかくとして、飲食店やドラッグストアに、「技術・人文知識・国際業務」の外国人を派遣していたとすれば、かなり高い確率で入管法に違反します。つまり、「ネオキャリア」の関係者が不法就労助長罪で検挙されてもおかしくない大事件なのです。

l  マスコミは、上野政務官の斡旋利得に喰い付いているようですが、本当の意味で問題なのは「ネオキャリア」の不法就労助長罪。果たして入管は、事の重大性に気付いているでしょうか。それとも政治銘柄は見逃しでしょうか。

【VISA Report】Vol.527 政治家の口利きでビザ許可?(2019.11.8号)より転載。

詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

【読む・観る・理解を深める】
➡ わらべや日洋子会社における不法就労事件を克明に報じないのなら、「50人以下で、技能実習ではなく、在留期間が切れていない」という不法就労事件は報道しなくていいんじゃないの?
➡ ラーメン一蘭は外国人アルバイト10人がオーバーワークしただけでボコボコに叩かれた。でも、オーバースティの外国人80人を派遣したわらべや日洋の子会社本社は書類送検で終わり。
➡ 警察が摘発する派遣業者は、規模が小さな企業や創業後間もない会社ばかり。不正派遣で知られている大手の会社名は出てきません。製造業の外国人派遣を調べればすぐにわかるのにねぇ。
➡ 一蘭や梅蘭は政治力のない飲食店だったから袋叩きに遭うが、大手派遣会社は政治力があるから、入管法に違反しても大きく取り上げられないし、大きな問題にもならない?

➡ 創業3年の派遣会社が摘発されました。しかし、大手派遣会社はほぼ無傷。昨年末にオーバーステイが発覚したソシアリンクの親会社だった上場会社の社名は報道されず。大手はいいよね。


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