パンデミックの最大のリスクはメディアが煽るインフォデミックとパニック反応である
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2020年4月18日 健康科学研究所所長・大阪市立大学医学部名誉教授 井上正康

・・・COVID-19は“武漢風邪”と言われる風邪の仲間である。風邪の原因ウイルスとしてはライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス(HCOV)などが古くより知られており、日本人の大半は幼児期に感染して抵抗力を獲得している。その為に感染しても多くは無症状で経過するが、“万病の源”と言われる風邪をこじらせると重症化して肺炎で死亡しうる。百年前にパンデミックとなったスペイン風邪は世界中を震撼させたが、その後もSARSやMARSなどの新型ウイルスによる特殊な風邪が50回近く発生している。“武漢風邪”の多くは無症状であるが、基礎疾患があったり免疫弱者の高齢者で重篤化すると間質性肺炎を起こす。

感染症は人類永遠の宿敵であり、それを根絶する事は不可能である。新興感染症は免疫のない人々に発症し、多くが感染して集団免疫が確立されると流行が下火になる。しかし、季節性インフルエンザでも毎年米国で数千万人が感染して約3万人が死亡し、日本でも約2千万人が感染して1万人が亡くなっている。武漢風邪の死亡率(0.1~10%)は国により大きく異なり、先進国では日本の死者数が著しく低い事が注目されている。これと関連してWHOのテドロス理事長が“検査・検査・検査”と連呼した内容を誤解したメディアや自称専門家達が“日本のPCR検査数が少ない事が問題であり、欧米同様に増やすべきである”と主張し、これに煽られた野党連合が“PCR検査拡張法案”を国会に提出した。しかし、抗体検査と異なり、感度や特異度が低いPCR検査は偽陽性や偽陰性が多いので多数の無症状者をスクリーニングするには不向きである。肺炎症状のある患者でウイルスの同定に利用するのが基本であり、海外で実施されている“ドライブスルー方式”などは政治的パフォーマンスの要素が強い。事実、偽陽性率が高い事から中国でもPCR検査は診断基準から除外されてしまった

ウイルス性肺炎はCT画像でスリガラス様の所見を呈するので容易に診断可能である。この装置は高額であるが、世界の30%もが日本国内にあり多くの病院で利用できる。CT画像で間質性肺炎が確認された患者を中心にPCR検査をすれば十分である。又、ウイルスが陽性である事が分かっても特効薬が無い現状では基本的治療方針は変わらない。

百年に一度のパンデミックに対応可能な医療インフラを常備しておく事は不可能であり、非常時には手持の武器で臨機応変に対応する事が基本である。パンデミックでは死亡者を減らすことが最重要課題であり、医療の基本に立ち返って行動することが大切である。集中治療室(ICU)が少ない事が医療崩壊の原因になると危惧されているが、日本には高度治療室(HCU)、冠疾患治療室(CCU)、脳卒中集中治療室(SCU)など、ICUに匹敵する優れたインフラもある。これらは武漢風邪の重症患者にも利用可能であり、医療崩壊を阻止する有力な武器となりうる。緊急時にこそ柔軟で俯瞰的な思考力が必要である。・・・

【読む・観る・理解を深める】
➡ 孤高の碩学として自説を主張し続ける井上正康先生。異端扱いが王道として認知される日は来るのでしょうか? 食わず嫌いをせずに一度真剣に視聴した上で真偽をご判断下さい。
➡ ワクチン研究で有名な米国ソーク研究所は、コロナワクチンの mRNA が産生するスパイクタンパクが血栓を育成し、健康に害を及ぼす可能性を指摘しました。
➡ メッセンジャーRNAの技術を開発したロバート・マローン博士がスパイクタンパクのリスクについて言及しています。ガセネタであることを祈ります。
➡ コロナ問題やワクチン問題を、科学的・体系的に理解したい方は、「科学的事実①:はじめに」から「新型コロナウイルス感染症に関する科学的事実(第三版:2021.5.24)」をお読みください。